悪魔な義理弟《ボディーガード》~ヤンキー校最凶犬男子の独占欲が強過ぎる~
「もう櫂理君。あんなに食べたら夕飯食べれなくなっちゃうでしょ。ああいうのは適度に断らないとダメだよ」
それから何とか買い物を済ませ、私達は少し休憩するため三階にあるフードコートの座席に座ると、早速先程のことについてお説教を始めた。
「悪かったって。けど、色々勧められたら食いたくなるだろ?食べ盛りなんだから」
そう反論すると、櫂理君はテーブルに肘をつき、全く反省していない様子で私の話を聞き流す。
まったく。
ああ言えばこう言う。
私は小さく溜息を吐くと、一先ず何かスイーツでも注文しようかと辺りを見渡した。
「櫂理君は何か頼む?」
「俺はさっき食ったからいい。ここで荷物番しているから行ってこいよ」
それじゃあと。
私はお言葉に甘えて席を立ち、スイーツのお店が並ぶエリアまで行くと、端から順番に店舗を見て回った。
どうしよう。
クレープ美味しそうだけど、少し重そうだし。
アサイー食べてみたいけど、ちょっと高いし……。
そして、様々な候補が上がる中、取捨選択をしながらメニューを段々と絞り始めていく頃。
何やら遠くの方で騒がしい声が聞こえ、何事かと振り返った途端。
視界に飛び込んできた女の子達の集団に、私は嫌な予感が一気に押し寄せてきた。
「ねえお兄さん一人?これからカラオケ行くんだけど、良かったら一緒にどう?」
「いや、それハードル高過ぎん?それより、少しの間お茶しない?うちら奢るから」
「はあ?お茶レベル?それなら、このエリア内のものいくらでも頼んでいいよ。あたしが全部出すから」
案の定。
急いで席に戻ると女子学生やお姉様達の集団に取り囲まれ、またもや彼の周りに人集りが出来てしまった。
「櫂理君、だめ……」
しかも、このまま放っておくとフードコート内全ての食事をご馳走されそうで、私はそれを阻止するために彼女達の間に割って入ろうと前に踏み出す。
「悪いけど、適度に断れって言われたから」
すると、今度はキッパリと断ってくれた櫂理君に軽い感動を覚えた直後。
敵意を露わにした女子達の視線が一斉にこちらに向けられ、私は恐怖のあまり軽い悲鳴をあげてしまった。
「あ、あの……。失礼しますっ!」
それから、命からがら。
櫂理君の腕をまたもや引っ張り、逃げるようにフードコートを飛び出して行った。