悪魔な義理弟《ボディーガード》~ヤンキー校最凶犬男子の独占欲が強過ぎる~
「おい、さっきからうるせーぞ!」
「きゃっ!」
すると、どこから湧いて出てきたのか。新たに現れた金髪男が、莉子の体を乱暴に突き飛ばした。
その瞬間、全身の血が一気に駆け巡る。
間髪入れず、俺の側にいた銀髪男が鉄パイプを振り下ろしてきた途端。タイミングよくそれを片手で受け止めると、怒りに任せて鉄パイプを直角にへし曲げてやった。
「…………え?…………はっ?」
まさか鉄パイプを曲げられるとは思ってもみなかったようで。混乱している銀髪男は、目を点にしてその場で狼狽える。
その隙に、俺は勢いよく立ち上がると、そのまま銀髪男の首をもう片方の手で強く掴んだ。
「てめえの首も曲げてやろうか?」
鉄パイプに比べれば、こんなのひとたまりもない。
今の俺は自制が効かず、こいつの反応次第ではマジでやりかねない。
その殺意がよく伝わったのか。急に戦意喪失した男達は、まるで被食者のごとく。この世の終わりのような目をして、一目散に逃げていった。
怒りの矛先を失った俺は小さく舌打ちをすると、ひとまず拳を降ろす。
そして、倒れた莉子の元へ急いで駆け寄った。
「莉子、大丈夫か!?」
地面に座り込んだまま放心状態の彼女に手を差し伸ばした矢先。莉子はふと我に返ると、突然俺の首元にしがみついてきた。
「櫂理君、ごめんね!」
そして、なぜか謝られてしまい、反応に困った俺は少しだけ戸惑う。
「私が櫂理君を傷付けたせいで、こんな目に……。櫂理君が狙われてるって知って、なんとかしなきゃって思ったけど、やっぱり全然ダメだった……」
続けて、声を震わせながら嗚咽混じりに悔やむ莉子の体を、優しく抱きしめた。
「莉子のせいじゃないだろ。それに、俺が無抵抗だったのは、莉子の泣き顔が見たかったからだよ」
それから、本音を隠すことなくそのまま伝えたら、莉子の啜り泣く声がピタリと止んだ。
「それ、どういうこと?」
すると、今度は怪訝な目を向けられてしまい、言うタイミングを見誤ったと気付くも時既に遅し。
「莉子が俺のために泣いてくれたのが嬉しかったから、もっと見ていたくて……」
こうなったら、開き直るしかないと。そのまま胸の内を明かすと、莉子の表情は益々険しくなっていった。