悪魔な義理弟《ボディーガード》~ヤンキー校最凶犬男子の独占欲が強過ぎる~
「うわー。あいつ、よりにもよって宇佐美姉に手を出してるじゃん」
「マジで知らないのかよ。よくここまで乗り込んできたよな」
「本当にご愁傷様ー」
すると、緊迫した状況下。
何やら周囲から笑い声とヒソヒソ話が聞こえだし、男は血相を変えて勢い良く声のした方へと振り向く。
「おい、今笑った奴は誰だ!?俺をバカにした奴はぶっ殺……」
そして、怒号を飛ばして手に持っていたバッドを振りかざした瞬間。
突然脇から現れた櫂理君の飛び蹴りが炸裂し、男は一瞬にして吹っ飛ぶと、そのまま廊下の壁に頭を思いっきり打ちつけ、その場で気を失ってしまった。
「バカをバカ呼ばわりして何が悪いんだ?」
それから、既に意識が途絶えている男の体を力強く踏みつけ、ポケットに手を突っ込みながらニヒルな笑みを浮かべる櫂理君。
「か、櫂理君!?暴力は……」
ダメ!と言おうとした矢先。
背後から別の男が櫂理君の頭をバットで殴ろうとした直後。瞬時に反応した櫂理君はそれを片手で受け止め、あろうことか、そのままバッドごと男を窓ガラスに向かって放り投げる。
窓ガラスの割れる音と共に、男の上半身はそのまま外に投げ出され、下半身が窓枠にぶら下がっていた。
「ぎゃあああああ!宇佐美君やめてぇぇ!なけなしの修繕費で直した窓なんだよぉぉ!これ以上は壊さないでぇぇー!!」
すると、窓ガラスの割れる音で勢い良く駆け出してきた
先生は、顔を青ざめて絶叫しながら櫂理君を止めようとするも。勢い付いた彼をどうすることも出来ず。櫂理君は怖気付いて動けなくなった残党に、尚も殴り掛かろうとする。
「櫂理君!本当にこれ以上はやめ……」
これは姉として、このまま弟を暴れさせるわけにはいかないと。
無理矢理にでも割って入り、彼を止めようした直後。
誰かに後ろから腕を強く引っ張られ、突然視界が真っ暗になった。
「ダメだよ莉子さん。今の状態で飛び込んだら、あいつらと同じ病院送りにされちゃうよ」
そして、少し低めのとても落ち着いた声が私を制し、顔と肩を手で押さえ付けられているせいで身動きが出来ない。
それから、視界を奪われたまま男達の悲鳴と物が壊れる音だけが響いてきて、状況が分からない分どんどん不安が募っていく。