悪魔な義理弟《ボディーガード》~ヤンキー校最凶犬男子の独占欲が強過ぎる~
そして、一分も経たない内に視界は解放され、目の前に飛び込んできたのは、ところかしこに血を流して気を失っている男達と、無傷でその中心に立つ櫂理君の姿。
私は視界を奪った人物を確認するため見上げると、そこには穏やかな笑みを浮かべている圭君が立っていた。
「暴力はダメだっていつも言ってるのに……」
今回は相手が襲い掛かって来たので、正当防衛と言われればそうなのかもしれないけど、それにしてはやり過ぎる。
つい先程、櫂理君がやられるのではと心配していたのが、いかに浅はかだったと思い知らされるくらいに。
始めに襲い掛かってきた男は頭から流血してるし、床に転がっている男の腕は若干変な方向に曲がっているしで。
これは校内暴力で処罰されるのかと思いきや。
先生の様子を見る限りだと、負傷した男達よりも、どうやら壊れた窓ガラスと備品の方が大打撃らしい。
「ねえ、莉子さん。この弱肉強食な世界では、そんな道理なんて通用しないよ?」
すると、終始笑みを崩さず、落ち着いた様子で私を諭してくる圭君。
その言葉に反応した櫂理君はこちらの方を振り向くと、倒れた男達を平然と踏み潰し、私の方へと近付いてくる。
「ああ、そうだ。莉子に手を出す奴は、誰であろうとこの俺が潰す」
そして、先程の悪魔のような形相から一変して。
物騒な言動とは裏腹に、柔らかい笑顔を浮かべながら、私の頬に優しく手を添えてきたのだった。