悪魔な義理弟《ボディーガード》~ヤンキー校最凶犬男子の独占欲が強過ぎる~
それから、上映時間が差し迫ってきたので、俺達は劇場へと入り、莉子を通路側にして席へと座る。
そして、ここぞとばかりに距離を詰めるも、手摺りが邪魔をして近付くにも限界があった。
その度にこの手摺をへし折ってやろうかと思ったけど、雰囲気を壊したくないのでここは我慢。
その代わり、莉子の手を握り、指を絡めて彼女の肩に頭を置く。
「櫂理君。ポップコーン食べる?」
そんな俺のスキンシップに相変わらず動じることなく、莉子は普段と変わらない態度でポップコーンを一つ摘み、俺の口元に差し出してきた。
当然それを拒む理由なんてなく。
映画が始まるまでの間、俺達はお互いポップコーンを食べさせ合った。
……そして、ふと思ったこと。
これ、いつもと変わらなくね?
映画館デートで思いつく限りの恋人っぽいことしてみたけど、たまに家でもやるし、食べさせ合うなんてしょっちゅうだし、手を繋ぐなんてもはや息を吸うくらい自然なこと。
場所が変われば雰囲気が出るかと期待したけど、やることなすこと全てあっさり受け入れられてしまい、全くもって手応えがない。
催眠術の時もそうだったけど、これは莉子が好き過ぎるあまり、ほぼ毎日スキンシップをしている弊害なのか。
それなら、いっそのこと恋愛ものにして雰囲気を作ればよかったのか。
けど、それだと秒で寝てしまうからこっちの身が持たない。
なにはともあれ、これでは全く刺激が足りず。
男として見られる方法は他にないのか、色々と思考を巡らしてみる。