悪魔な義理弟《ボディーガード》~ヤンキー校最凶犬男子の独占欲が強過ぎる~
◇◇◇
あれから、お化け屋敷を出てすぐ従業員に厳重注意をされ、俺達は大人しくその場を後にする。
「もう、櫂理君のせいで最後すっごく恥ずかしかった」
「悪い。莉子に触れようとする奴は無条件で排除したくなるから」
道すがら莉子にもキツく叱られたけど、これは性分だから仕方ないと。そう割り切りながらも、機嫌を損ねてしまったので一応謝ってみた。
「とりあえず、飯にするか?もう大分昼過ぎちゃったし」
飛び込みでお化け屋敷に入ったので、気付けば正午をとっくに過ぎており、先程からずっと腹が鳴りっぱなしだ。
ひとまずレストラン街へと向かうため、エスカレーターを降りようとした途端、突然莉子に腕を引っ張られた。
「どうした?」
何やら渋い表情をしているけど、まだ機嫌が直っていないのだろうか。
やっぱり、ちゃんと謝った方が……
「ここは人が多いからもう帰りたいかも……。櫂理君が大丈夫ならご飯は買っていかない?」
すると、予想とは違う返答が来て、俺は首を横に傾げる。
確かに今日は休日だから多少混雑はしているけど、普段これぐらいの人混みなら全然平気なのに。
「やっぱり具合でも悪いのか?一旦休む?」
段々と心配になってきた俺は、休憩できる場所を探すため案内板へと向かおうとした矢先。
今度は服の裾を軽く引っ張られ、またもや足止めをされてしまう。
「違う。そうじゃなくて……。あの……」
そして、とても言いづらそうに口ごもる莉子に、益々不安が募り始めていく最中だった。
「私が居なくなるとまた誰かに声掛けられちゃうでしょ?だから、なんかそれが嫌だなって……」
「………………は?」
あまりにも予想外な返答に思考がついていけず、思わず間の抜けた声が出る。
その数秒後、ようやく内容を理解することが出来、ある結論に至った瞬間、俺は莉子の手首を掴みそのまま歩き出した。
「え?あ、あの櫂理君?」
無言で連れ出されていることに戸惑いながらも、莉子は大人しく後をついてきてくれて、俺達は人気のない通路端へと辿り着く。
それから、これまで我慢していた感情が溢れ出しそうになる手前。俺は莉子の体を柱に押し付け、彼女の顎を軽く引き上げた。
「それって嫉妬してるってこと?」
確か前にも、同じ質問をしたことがある。
その時は、はぐらかされて終わったけど、もしかしたら……
そんな期待を込めた眼差しを向けると、莉子の耳が一気に赤くなり、視線を逸らして小さく頷いてきた。
まさかの期待通りの反応に、俺は体の動きが一時的に止まる。
これは正に吊り橋効果というやつだろうか。
今度はしっかり認めてくれた上に、いつもと雰囲気が違う気がする。
“弟”を見る目というよりも、一人の“男”として見ているような恥じらいかた。
そう確信した時、かろうじて繋ぎ止めていた理性の糸がプツリと切れる音がした。
ああ、だめだ。
もう無理。
そう心の中で呟くと、俺は莉子の唇に親指をあてて、そのまま自分の唇を重ねた。
間接的ではあるけど、これまでで一番彼女の吐息を感じ、熱を感じる。
もしこの指をずらしてしまえば、きっとこの乾いた心も少しは潤うかもしれない。
けど、かろうじて残っていたなけなしの理性が何とかそれを食い止め、俺はゆっくりと莉子から唇を離した。
それから暫しの間沈黙が流れる。
まさか、ここで間接キスをされるとは思っていなかったようで。莉子は先程から目を見開いたまま、顔を真っ赤にさせながらその場で固まっていた。
その可愛らしさに内心悶えながら、俺は不敵に笑う。
「約束、ちゃんと守ったからな?」
そして、何か言われる前に先手を打った。
「……櫂理君のバカ」
どうやら効果はそれなりにあったようで、莉子は小さく頬を膨らませながら俺を軽く睨みつけてきた。
あれから、お化け屋敷を出てすぐ従業員に厳重注意をされ、俺達は大人しくその場を後にする。
「もう、櫂理君のせいで最後すっごく恥ずかしかった」
「悪い。莉子に触れようとする奴は無条件で排除したくなるから」
道すがら莉子にもキツく叱られたけど、これは性分だから仕方ないと。そう割り切りながらも、機嫌を損ねてしまったので一応謝ってみた。
「とりあえず、飯にするか?もう大分昼過ぎちゃったし」
飛び込みでお化け屋敷に入ったので、気付けば正午をとっくに過ぎており、先程からずっと腹が鳴りっぱなしだ。
ひとまずレストラン街へと向かうため、エスカレーターを降りようとした途端、突然莉子に腕を引っ張られた。
「どうした?」
何やら渋い表情をしているけど、まだ機嫌が直っていないのだろうか。
やっぱり、ちゃんと謝った方が……
「ここは人が多いからもう帰りたいかも……。櫂理君が大丈夫ならご飯は買っていかない?」
すると、予想とは違う返答が来て、俺は首を横に傾げる。
確かに今日は休日だから多少混雑はしているけど、普段これぐらいの人混みなら全然平気なのに。
「やっぱり具合でも悪いのか?一旦休む?」
段々と心配になってきた俺は、休憩できる場所を探すため案内板へと向かおうとした矢先。
今度は服の裾を軽く引っ張られ、またもや足止めをされてしまう。
「違う。そうじゃなくて……。あの……」
そして、とても言いづらそうに口ごもる莉子に、益々不安が募り始めていく最中だった。
「私が居なくなるとまた誰かに声掛けられちゃうでしょ?だから、なんかそれが嫌だなって……」
「………………は?」
あまりにも予想外な返答に思考がついていけず、思わず間の抜けた声が出る。
その数秒後、ようやく内容を理解することが出来、ある結論に至った瞬間、俺は莉子の手首を掴みそのまま歩き出した。
「え?あ、あの櫂理君?」
無言で連れ出されていることに戸惑いながらも、莉子は大人しく後をついてきてくれて、俺達は人気のない通路端へと辿り着く。
それから、これまで我慢していた感情が溢れ出しそうになる手前。俺は莉子の体を柱に押し付け、彼女の顎を軽く引き上げた。
「それって嫉妬してるってこと?」
確か前にも、同じ質問をしたことがある。
その時は、はぐらかされて終わったけど、もしかしたら……
そんな期待を込めた眼差しを向けると、莉子の耳が一気に赤くなり、視線を逸らして小さく頷いてきた。
まさかの期待通りの反応に、俺は体の動きが一時的に止まる。
これは正に吊り橋効果というやつだろうか。
今度はしっかり認めてくれた上に、いつもと雰囲気が違う気がする。
“弟”を見る目というよりも、一人の“男”として見ているような恥じらいかた。
そう確信した時、かろうじて繋ぎ止めていた理性の糸がプツリと切れる音がした。
ああ、だめだ。
もう無理。
そう心の中で呟くと、俺は莉子の唇に親指をあてて、そのまま自分の唇を重ねた。
間接的ではあるけど、これまでで一番彼女の吐息を感じ、熱を感じる。
もしこの指をずらしてしまえば、きっとこの乾いた心も少しは潤うかもしれない。
けど、かろうじて残っていたなけなしの理性が何とかそれを食い止め、俺はゆっくりと莉子から唇を離した。
それから暫しの間沈黙が流れる。
まさか、ここで間接キスをされるとは思っていなかったようで。莉子は先程から目を見開いたまま、顔を真っ赤にさせながらその場で固まっていた。
その可愛らしさに内心悶えながら、俺は不敵に笑う。
「約束、ちゃんと守ったからな?」
そして、何か言われる前に先手を打った。
「……櫂理君のバカ」
どうやら効果はそれなりにあったようで、莉子は小さく頬を膨らませながら俺を軽く睨みつけてきた。