悪魔な義理弟《ボディーガード》~ヤンキー校最凶犬男子の独占欲が強過ぎる~

デートとお出掛け


※話は、お出掛け当日の朝まで遡る。







「うーん、どっちにしよう……」


姿見の前に立ち、二つの服を交互にあてがいながら、私は小さく唸る。

最近買った白色のニットワンピにするか。それとも、お気に入りの花柄ワンピにするか。コーデを考えてから、かれこれ数十分が経過。

あまり服を持っていないので、普段は大体すぐ決まるのに、今日はいつにも増して時間がかかっている。

 
櫂理君は、どっちが好みなんだろう……。


暫く頭を悩ませていると、ふと脳裏に浮かんできた彼の顔。

花柄ワンピは着るたびに毎回「可愛い」と言って褒めてくれるし。新しい服を着ると、それはそれで「新鮮」と言って喜んでくれる。

結局、どっちを選んでも絶賛してくれるから、どれでもいいと言えばいいんだけど……。せっかくなら、新しい方を選ぼうかな。


そう決断すると、花柄ワンピをクローゼットにしまい、真っ白なニットワンピに袖を通す。そして、再び姿見の前に立ってから、小さく息を吐いた。


また、こうして櫂理君のことを考えてしまった……。

気付けば、何を選ぶにも全部櫂理君基準になっていて、昨日も『男子ウケする髪型』という動画をずっと見てしまった。

この前一緒に買い物に行った時は、こんなことなかったのに。

これじゃあ、まるで本当にデートするみたいな……


「違う!これは、ただのお出掛け!」


油断していると思考があらぬ方向へと進み、私は無理矢理断ち切ろうと、首を思いっきり横に振った。


ダメだ。変に意識したら、これまで培ってきた日常に綻びが出来てしまうかもしれない。


そんな危機感に苛まれ、気持ちを落ち着かせるために、今度は大きく深呼吸をする。


とりあえず、今日一日普段どおりの行動を心掛けなくちゃ。

そう自分に言い聞かせると、私は気合を入れるために強く拳を握りしめた。

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