原始の湖畔、サファイアの瞳
 この手は、彼女を抱くためではなく、ただ獲物を殺すためだけにあるというのにと、疑問に思う。

 ……少年は、自身の汚れた手を見て、自分は何のために生まれた動物だろうと問いかけていた。

 その時、雨雲の切れ間から差し込んだ細い光が、彼女の瞳を微かに照らした。

 深い黒の中に、一瞬だけ神秘的な青い輝きが宿る。
 少年の心は、その得体の知れない美しさに、槍で突かれたような衝撃を受けた。

 少年は、彼女の白い翼にそっと頭を預け、生まれて初めて、明日を恐れることなく深い眠りへと誘われていった彼女の白い翼にそっと頭を預けた。

 石の匂いと泥の冷たさしか知らなかった少年が、生まれて初めて知る「命の温もり」。
 
 明日を恐れることなく、彼は深い眠りへと誘われていった。
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