Actors☆5(アクターズ☆ファイブ) ~5人で挑む、はじめての舞台~
「フィリップ、待て」
「何だよ父さん」
「また馬に乗って遊びに行く気か? いい加減、王子としての自覚を持て。それにお前には婚約者が……「古いなぁ。今はもう14世紀ですよ? 俺は、結婚する相手は自分で決めます」
「こら、待ちなさい! フィリップ!」
父親が止める声も無視して、王子は軽やかに笑いながら、愛馬のサムソンに乗って城を出ていく。
――こうして舞台は、順調に進んでいった。
しかし終盤に近付くにつれ、優希の様子が少しずつおかしくなっていく。
「あ、朝比奈くん、大丈夫……?」
舞台袖に下がってきた優希に、マレフィセントの衣装に身を包んだ謙杜が、心配そうな目を向ける。
「……はい、大丈夫です!」
優希の顔には笑顔が浮かんでいるが、額ににじむ汗が尋常ではない。
やせ我慢しているだけだということに直ぐに気づいた謙杜だったが、優希はここで舞台を降りるような真似は、絶対にしないだろう。