Actors☆5(アクターズ☆ファイブ) ~5人で挑む、はじめての舞台~


「……あ、そういえば昨年のキングってさ」


塁生が、思い出したかのように口を開いた。

謙杜と話し終えて、再び台本に目を通していた雄星は、わずかに肩を揺らす。

けれど誰もそのことには気づかず、話は進んでいく。


「クラスメイトが言ってたけど、何かめっちゃ有名な人らしいよ。一年生でジョーカーを獲って、二年生になった昨年にはキングを獲ったらしいし」

「へえ、そんなにすごい人なんだね。僕もその人のお芝居、観てみたいなぁ」

「まあ、これから観る機会なんてたくさんあるんじゃね? それこそ、五月の舞台は試験も兼ねてるから、全学年参加なわけだし」

「そっか。他の舞台も、生徒は自由に観ていいことになってるもんね」


優希は、他の生徒の舞台を観れることが楽しみで仕方なく、今から浮き立っている。


「先輩たち。昨年のキングって、何て名前の人なんですか?」


塁生は一切の悪気などなく、気になったことを尋ねただけだ。

しかし、そのキングの正体を知っている二年生組は、言ってもいいものかと、迷うような顔をしている。

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