Actors☆5(アクターズ☆ファイブ) ~5人で挑む、はじめての舞台~
「あれ? 芥生先輩、眼鏡をかけていなくても視力のほうは大丈夫なんですか?」
「あ、うん。あれ、伊達メガネだから。ぼく、むしろ視力はめちゃくちゃいい方なので」
「はぁ!? それじゃあ、何でわざわざ眼鏡なんてかけてるんすか? あの分厚い眼鏡が、おしゃれなわけないですよね?」
「そ、それは、顔を隠すためっていうか……だってそうしないと、皆にすごく見られてる気がして……あ、自意識過剰ですよね、はい。陰キャオタクがすみません。こんなんだから、母さんにもお前はだめだって言われるんだよね……」
自虐発言をし、一人の世界に入ってぶつぶつ呟いている謙杜に、優希は首を傾げる。
「芥生先輩、今、お母さんって言ったのかな?」
「あー……これは他の生徒たちには秘密にしているみたいだから、ここだけの話なんだけどね。芥生くんのお母さんって、実は有名な舞台女優さんだったらしいよ。もう引退しているみたいだけど」
琥太郎が、不思議そうにしている優希たちにこっそり耳打ちして教えてくれる。
「芥生……そんな人、舞台関係者にいたか?」
子役として活躍していたこともあり、業界のことには詳しい雄星だが、芥生という苗字にピンとくる女優はいないらしい。