Actors☆5(アクターズ☆ファイブ) ~5人で挑む、はじめての舞台~
「……それじゃあ、どうしよっか。まだ時間もあるし、もう一回通してやってみる?」
「あ、その前に、少し台本を確認させてもらってもいいですか?」
「ぼ、ぼくも、台詞回しとか、台本を見ながら、一回頭の中でイメージしておきたいかも……」
「それじゃあ、十五分の休憩をはさんでから、もう一度通しでやってみよう」
琥太郎の提案に、優希と謙杜が台本を確認したいと言い、話をまとめてくれた雄星の言葉で、十五分後に再開する流れとなった。
(……上辺だけの演技、か)
先生にアドバイスをもらってから一言も言葉を発していない塁生は、内心で焦っていた。
琥太郎と同様に、自分の演技が他の三人よりも劣っているという自覚があったからだ。
共に舞台に立つことで、より肌で感じられた。
自分にはまだまだ足りないものばかりだということを自覚させられた。
周りに置いていかれるような、敗北感。焦燥感。
そんな負の感情に胸を支配され、悔しそうに唇をかみしめていた塁生の様子に気づいたのは、優希だった。