狼上司が執着するのは
01
コンビニで小腹が空いた時のためのお菓子を買って、オフィスに戻ったのは昼休憩が終わる10分前。
「戻りました」とレジ袋片手に陽気にオフィスに繋がるドアを開けると、なにやら室内が静まり返っている。
この感じ、またあの男か。
「また発注書に同じミスをしてましたよ。ダブルチェックしてもらってないんですか?」
「その、確認していただく予定の方が急遽お休みで……私ひとりで作成しました。申し訳ありません」
厳しい表情で問い詰める背の高い二枚目の男と、平謝りする華奢で色白の女。
美男美女であるためドラマの撮影現場かと錯覚して立ち止まるが、不穏な空気を察して私は足早に現場に向かった。
「業務外の仕事を確認しなければいけないこっちの身にもなって下さい。これは本来営業事務の仕事です」
「はい、気をつけます」
「そんな様子ではおちおち仕事も頼めませんから」
怒鳴ったりはしないものの、棘の含んだ言葉で叱責する姿にカチンときた。
私は渦中に飛び込み、彼らの間に割って入った。
「藤浪課長、その言い方はあんまりでしょう」
両手を腰に当て、今にも泣き出しそうな女の子を叱る男・藤浪柾に正面から文句を言ってやった。
「戻りました」とレジ袋片手に陽気にオフィスに繋がるドアを開けると、なにやら室内が静まり返っている。
この感じ、またあの男か。
「また発注書に同じミスをしてましたよ。ダブルチェックしてもらってないんですか?」
「その、確認していただく予定の方が急遽お休みで……私ひとりで作成しました。申し訳ありません」
厳しい表情で問い詰める背の高い二枚目の男と、平謝りする華奢で色白の女。
美男美女であるためドラマの撮影現場かと錯覚して立ち止まるが、不穏な空気を察して私は足早に現場に向かった。
「業務外の仕事を確認しなければいけないこっちの身にもなって下さい。これは本来営業事務の仕事です」
「はい、気をつけます」
「そんな様子ではおちおち仕事も頼めませんから」
怒鳴ったりはしないものの、棘の含んだ言葉で叱責する姿にカチンときた。
私は渦中に飛び込み、彼らの間に割って入った。
「藤浪課長、その言い方はあんまりでしょう」
両手を腰に当て、今にも泣き出しそうな女の子を叱る男・藤浪柾に正面から文句を言ってやった。
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