春夏秋冬
純、いわく。
春って季節は面倒臭い季節だ。
新しいクラスに新しい学年。新しいクラスメイトに新しい担任。
学校において新しいものばかり。
これに加わり、あの4人ときた。
純にとって最も疲れる季節が幕をあけてしまったのである。
ヤバイ…まじで泣きたい…
そう考えると、肩がガクッと落ちてしまいそうだった。
「えぇ、…で、この時に農民が…」
歴史の授業の時間。正直、眠い。
でも眠る訳にもいかず純は真面目にノートをとっていた。
「細羽君。」
突然、隣の席の女子に名前を呼ばれ、純は半分びっくりし、半分疑問に女子を見た。
「これ…」
か細い指に挟まれ渡されたのは小さく折られたノートの切れ端だった。
「誰から?」
純は受け取りながらたずねる。
「波木君から」
「彰が?」
結構、真面目な方な彰が純に手紙?
しかも授業中に?
そんな疑問を持ちながら紙を開いた…