前世での誓い
もしかしたら、クビ宣告されて何かに縋りたいだけなのかもしれない。冷静になれば、前世とかよく分からないし、新手のナンパか詐欺か、弄ばれているだけかもなんて考えも浮かぶ。
「那津さん?どうかしました?」
「あの、それは本当に私なんでしょうか?たまたますれ違って、たまたま話しかけたら名前が似てて、とか。そういうのじゃ」
「うーん。すれ違った時、絶対お夏さんだって思ったんで。それに、那津さんのことタイプだなって単純に思ったのも、あります」
「…恥ずかしいだけじゃないですか」
思ったことを脳まで通さずに口に出しているみたいに、顔を塞ぎたくなるようなことを普通の顔をして言ってくる。実際にタイプだと言われて、顔を塞いだ。
「そういうとこ、可愛いです。あと、絶対に他人の批判とかしなさそうなのが、顔に出てるとこも」
「やめてください…」
まずい。私、浮かれすぎてる。会社で起きたことと今起きていることの温度差が大きすぎて、理解が追いつかない。目の前にいる新さんも、段々と眩しく見えてきた。