前世での誓い
「そろそろ前世の話、聞かせてください」
「あ、そうですよね。1年前に、1820年に生きていた人が夢に出てきたんです。その人は新之丞って言うらしいんですけど、僕と新之丞さんは繋がってて…」
夢の話はあまりにも長くて、全部は聞き取れていない気がするけど、要約すると新之丞さんはこの人の前世らしく、新之丞さんの時代に恋に堕ちた、お夏さんを探してほしいと夢で訴えかけられた、と。
「…そのお夏さんが、私だということですか?」
「そうです。似ている名前だと言われました。お夏さんと那津さん」
「まぁ似てますけど…。あなたは?新之丞さんではないですよね」
「あ、ごめんなさい。言ってなかったね。新っていいます」
「新、さん…」
新さん。そう名前を呼んだだけなのに、胸の奥から何かが溢れ出してきて、とても暖かい。
でも戸惑った。初対面で、私が前世のお夏さんじゃないかもしれないのに、勘違いして期待している自分がいる。このまま新さんを信じて、私がお夏さんですと言い切って良いのか。