前世での誓い
2026年
土日休み。クビを聞かされて過ごす休日は憂鬱で、もしかしたら新さんから連絡が来て気分も晴れて…と、無駄な期待をしすぎたので、終日引きこもりの幸福度が下がった2日だった。
期待は良くない。でも金曜日のイレギュラーなイベントを体験すると、もっとを望んでしまう。変化は嫌いだけど、自分に得のあることならもとめてしまう。仕事もそう。
「だからクビにされたんだな」
変化は受け入れなきゃ。今回のことも、前を向くチャンスをくれたんだと感謝しないと。2日ぶりのカジュアルスーツに身を包み、家を出た。
電車に揺られて最寄駅に着き、人の波に飲まれて改札を出る。
会社に着いたら、段ボールを倉庫から取ってきて、荷物をまとめて。時々同じ部署の人に〝どうしたの?〟と聞かれて、辞めると伝えると、〝えーそんな。寂しくなるね〟と言われて、愛想笑いをする。大丈夫。シミュレーションなら完璧にできている。
人の波から一旦離れて、大きな窓から外の景色を眺めて深呼吸をする。そういえば、ここで新さんの震える手を止めてあげたなとぼーっとしていると、肩を軽く2度叩かれた。