前世での誓い
「邪魔ですよね。すみません!」
通勤通学でそれぞれ遅れないように向かっている中、邪魔者がいるとペース狂うよね。と自分をたっぷり卑下してから叩かれた方を振り返る。
「那津さんおはよ!」
「新さん!?会社、この辺ですか?」
昨日ここで別れた新さんが、私の肩を叩いていた。私の乗る電車とは、反対の線に乗って通勤しているそうで、まさかここですぐに再会できるとは思わなかった。
「僕が行ってる会社、あの一番高いビルです」
「…え、私もですよ?」
数えきれないほど入っている会社の中で、私と新さんが同じビルに入っているのは、そこまで低い確率ではない。よくあることだろうけど、それに昨日の前世の話が加わると、そこそこ運命を感じてくる。
「一緒に行きましょうか」
「はい。よろしくお願いします」
駅から出た人たちは、大体同じ場所に向かう。もしかしたら、同じ人混みの中に毎日新さんがいたのかもなんて考えて、ちらっと新さんを見上げると、私を見ていたらしい新さんと目がばっちり合った。
「…っ、どうかしました?」