前世での誓い



金曜日出会ったばかりで、ここまで警戒心なくこの人のことを知りたいと思える。誰に対しても警戒して境界線を作ってしまう私からは、想像もつかない行動で、自分で不思議になるお昼だった。




「那津さんがよく行くお店に、僕も行けて嬉しいです」


「チェーン店ですけどね(笑)」


「それでも、那津さんの好みを知れたので」




外でご飯を食べると、あっという間にお昼休憩が終わってしまう。午後からの仕事まで、あと20分。すんなり会社に戻れば、自分のデスクでゆったりと過ごせる。でも新さんともう少しいたい気もするしな。




「新さん、あの」


「はい」




そう感じて、クビの話を笑いに変えた話題を振ろうと隣を歩く新さんを見ると、こちらを見ていた目と合った。




「…顔に何か付いてますか?」


「何も付いてないです。那津さんが、今何を考えてるのかなって思って見てました」


「もう少しだけ、新さんとお話ししたいなと、思ってました…」





嫌がられたかな。新さんの仕事内容も知らないし、もしかしたら忙しい人かもしれないのに。そう思ったけど、耳を真っ赤にして両手で顔を覆っていたので、察するに嫌ではないらしい。ただ、自分で言ったことに私自身も恥ずかしくなった。



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