前世での誓い


バレないように表情はキリッといつも通りで、心情は真っ黒。定時を迎え、いつもほんの少しだけ残って仕事をしているけど、今日は帰りたい気分。でもいつもと違う時間に帰ったら怪しまれるかも。



そんなことを考えている間に、自分がいつも帰る時間になり、何食わぬ顔で帰り支度を済ませた。




「お先に失礼します」


「あ、西村さん待って。ご飯行かない?他に2人いるんだけど」


「はい、是非」




先輩の誘いは断れない。それに、今日は1人になりたくなかったし。


会社近くにある焼肉屋に入ると、華金に浮かれるサラリーマンたちで溢れかえっている。ビールの進みも早く、既に酔っ払っている人もチラホラ。




「西村さん、何飲む?」


「ジンジャーエールでお願いします」


「ビール飲まないの?」


「私もちろんビール!そのあとはハイボールねー!」




こういう時、アルコールで忘れられる人が羨ましい。顔を真っ赤にして蕁麻疹ができるだけで、記憶が飛ぶとかぽわんとは全くしない。



運ばれてきたジョッキを4つカチンと鳴らして、それぞれが喉を潤す。休みの過ごし方の話が始まると肉もやってきて、箸も進みお酒も進んだ頃、今日の呼び出しの話に移った。



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