前世での誓い




____




「…えっ、クビだけは…」


「クビだなんて人聞きの悪いこと言わないでよ。これは会社にとって、必要な改革なんだから。西村さんだけじゃないし」




部長と社長に呼ばれた時点で、覚悟はしていた。


他にも呼ばれた人がいたと聞いていたし、集団リストラの噂もあった。人数が多かった部署にいたから、その噂が本当なら標的は私たちがいる部署だろうと、みんなで目星はつけていた。



それでもやっぱり、直接言われると現実は重たい。しかも金曜日の午後。明日は仕事が休みだから、1人で今日のことが頭から離れなくなる。


話が終わって会議室を出ると、深いため息が出た。来月からどうしよう。次の職場を決めるまでは、バイトで繋ぐしかない。



誰かとこの苦しみを共有したいけど、リストラの話は誰にいっているか分からない。全員進捗伺いという名目で呼ばれているから、下手に聞いてバレたりしたら、ただの恥晒しだ。


そこからの仕事は体が重くて、何も手につかない。意味のないタイピングをしてみたり、普段はしないキーボードの埃取りをしてみたり。私は割と会社に貢献している方だと思っていた。みんなもっと頑張っていて、もっと貢献しているってことだよね。

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