前世での誓い
買い物当日。会社に行く日と同じ時間に起きてしまい、思いの外早く待ち合わせ場所に着いてしまった。
今日の外出、一応デートになるのかな。そう思ったら、どんな服着て行こうとか化粧もいつもより凝ってみたりして、浮かれている自分が気持ち悪くなって、結局いつも通りの化粧に、少しだけ着慣れないスカートを履いてみた。バレない程度に、髪も緩く巻いて。
新さんは、どんな車に乗ってくるんだろう。どんな私服なんだろう。仕事の新さんとしか会ったことがないから、想像だけが膨らんでいく。どんな服装もどんな車も、どれを想像しても合うので、完璧な人なんだなと関心していると、目の前に黒い車が止まって、助手席の窓が下がった。
「おはようございます!」
満面の笑みの新さんが運転席から乗り出して、こちらに顔を出している。
「おはようございます。今日はよろしくお願いします」
「こちらこそ。どうぞ、乗って」
SUVタイプのごつい車の助手席に乗ると、ムスクの香りが体全体を纏うように香って、緊張感が増した。
やばい、すごく良い匂い。サラッと乗ってしまったけど、この良い香りのまま目的地まで2人きり。2人と意識してしまった途端、心臓の鼓動がうるさく耳に届く。