前世での誓い


本来なら、上司になる人に手を振る社会人なんて居ないけど、各務くんの可愛さなら許してしまう。私も手を振り、エレベーターに乗る各務くんを見送った。




各務くんが研修へ1週間行っている間、私は日常業務に戻る。各務くんに渡すマニュアルづくりから来客対応、あっという間に週末を迎える。新さんとの約束の日が近づくにつれて、楽しみな反面ソワソワしている自分もいて、いつも以上に仕事が捗った。



金曜日の夕方、新さんから〝明日、楽しみにしてます。車で迎えにいくから、駅前で待ってて。〟と連絡が来た。新さんからの初めてのメール。私の最寄駅を伝えたら、迎えに来てくれることになった。


新さんの運転姿が見れるのか。私の買い物に付き合ってくれるのにあわせて、運転までしてもらって。申し訳ないくらいに、私の得でしかない気もする。




「何?西村さんの表情筋、緩みまくってるよ?」


「え?そんな変な顔してますか?」


「変な顔ってわけじゃないよ。ただ、すごく嬉しそう」


「へへ…、ちょっと」




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