『顔も見たくない』と振られた御曹司に十年越しで執着されていました
驚いた紗月が航生に尋ねると『そうみたいだね』と軽く帰ってきた。
紗月の勤め先を把握していた航生は以前、『処理は俺に任せて。悪いようにはしない』と言っていた。もしかしたら、紗月との再会をきっかけに彼が動いたのだろうか。
そう聞いても、航生に『たまたまだよ』と、はぐらかされてしまった。
(よくわからないけど、元々別の部署で交渉が進んでいたのかな。そもそもなんの繋がりもなかった会社をこんなに短期間に買収なんてできないはずだし。航生君って経営戦略室長だっけ。管轄外だったのかも)
いずれにしても元職場は対応に追われているはず。大丈夫だろうかと心配していた紗月に元同僚の木村から電話がかかってきたのは昨日だった。やはり社内は大変な騒ぎらしい。
《経営陣は全員すげ替えられてOGセラミックから人材が来るらしくって。管理職を中心にこれまでの業務実績調査が行われて、これまでの働きに見合った処遇がされるみたいなんです。課長なんて相当怯えてますよ》
『かなり思い切ってテコ入れするんだね』
驚く紗月にひとしきり説明してくれた木村は《あの……》と言いづらそうにしてから続けた。
紗月の勤め先を把握していた航生は以前、『処理は俺に任せて。悪いようにはしない』と言っていた。もしかしたら、紗月との再会をきっかけに彼が動いたのだろうか。
そう聞いても、航生に『たまたまだよ』と、はぐらかされてしまった。
(よくわからないけど、元々別の部署で交渉が進んでいたのかな。そもそもなんの繋がりもなかった会社をこんなに短期間に買収なんてできないはずだし。航生君って経営戦略室長だっけ。管轄外だったのかも)
いずれにしても元職場は対応に追われているはず。大丈夫だろうかと心配していた紗月に元同僚の木村から電話がかかってきたのは昨日だった。やはり社内は大変な騒ぎらしい。
《経営陣は全員すげ替えられてOGセラミックから人材が来るらしくって。管理職を中心にこれまでの業務実績調査が行われて、これまでの働きに見合った処遇がされるみたいなんです。課長なんて相当怯えてますよ》
『かなり思い切ってテコ入れするんだね』
驚く紗月にひとしきり説明してくれた木村は《あの……》と言いづらそうにしてから続けた。