『顔も見たくない』と振られた御曹司に十年越しで執着されていました
「いや、そうでもないよ。逆に遠巻きにされてる」

 ちらりとこちらを見て、航生は苦笑した。

(謙遜してるけど、絶対社内でも人気者なんだろうな)

 こんなふうに人を包み込むような優しさ穏やかさをもっていたら同僚や部下に慕われるだろうし、頼られているに違いない。

 それは紗月も同じだ。このままでは、生活だけでなく心もすべてを彼に依存し、離れられなくなってしまうのではないか。

 そんな可能性に気づき、紗月は少し怖くなった。

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