『顔も見たくない』と振られた御曹司に十年越しで執着されていました
 すでに航生は、紗月なしでは生きていけないのだ。これから先も彼女を守り、愛おしみ、嫌というほど甘やかすだろう。

「君への執着心は一生変わらなそうだ」

「……うん……おいしいよ」

 自嘲気味に声を落とすと、むにゃむにゃとした声が返ってきた。小さく噴き出した航生は愛しい妻をベッドに運ぶためにそっと抱きあげる。

「愛してるよ、紗月」

 こっそり奪った唇はココアの甘い香りがした。
< 228 / 235 >

この作品をシェア

pagetop