『顔も見たくない』と振られた御曹司に十年越しで執着されていました
『島君って社長の息子だって話、紗月は知ってたの?』
ホームルームが終わると麻由がこっそり話しかけてきた。
『ちょっと噂になってるのよ。島君がOGセラミックの社長の息子で……しかも愛人の子だって』
驚く紗月に麻由はいっそう声を低くした。
(その話、島君は知られたくなかったはずなのに……どうして)
彼が隠していたはずのプライベートは、いつの間にか学年中に広まり、母が病気らしいという噂まで立ち始めた。
それから数日たっても航生は登校してこない。彼と一番仲の良かった紗月はクラスメイトに真偽を問われたが、そのたびに『知らないし、噂話はよくないよ』と受け流し続けた。
面白半分に噂されている現状を知ったら航生はきっと傷つく。胸を痛めながらも、彼に連絡を取る勇気はなかった。
新学期が始まって一週間後、航生が登校してきた。クラスメイトたちが遠巻きに見守る中、彼は静かに教室へ入ってくる。
久しぶりに見るその姿は、顔を伏せているにもかかわらず、人を寄せつけない気配だけが際立っていた。航生はまっすぐ紗月の机へ向かい、目の前でぴたりと足を止めた。
『永井、最低だな』
『島く……』
ホームルームが終わると麻由がこっそり話しかけてきた。
『ちょっと噂になってるのよ。島君がOGセラミックの社長の息子で……しかも愛人の子だって』
驚く紗月に麻由はいっそう声を低くした。
(その話、島君は知られたくなかったはずなのに……どうして)
彼が隠していたはずのプライベートは、いつの間にか学年中に広まり、母が病気らしいという噂まで立ち始めた。
それから数日たっても航生は登校してこない。彼と一番仲の良かった紗月はクラスメイトに真偽を問われたが、そのたびに『知らないし、噂話はよくないよ』と受け流し続けた。
面白半分に噂されている現状を知ったら航生はきっと傷つく。胸を痛めながらも、彼に連絡を取る勇気はなかった。
新学期が始まって一週間後、航生が登校してきた。クラスメイトたちが遠巻きに見守る中、彼は静かに教室へ入ってくる。
久しぶりに見るその姿は、顔を伏せているにもかかわらず、人を寄せつけない気配だけが際立っていた。航生はまっすぐ紗月の机へ向かい、目の前でぴたりと足を止めた。
『永井、最低だな』
『島く……』