愛なんて要らないから


 それからしばらく経ったある日。萌ちゃんのSNSに親しい友人にしかみえない設定にしてある投稿があった。

《 大学ぶりに二人で過ごせて嬉しかった 》

 萌ちゃんの部屋らしき場所で撮ったであろう赤と青のペアのマグカップの写真と共に書かれていたこの一文。

 それを読んで、なぜかモヤモヤとした。


 妙に意味深な投稿。

 大学ぶりって、まさか悠じゃないよね?


 そう思ったのは、萌ちゃんと悠が今、二人とも地元に住んでいるから。ただそれだけの理由で。

 だから確証なんてなくて、少しだけ胸がざわついたけれど、この気持ちには蓋をすることにした。


 それに今日、悠は仕事のはず。

 だから萌ちゃんの家に行っているわけがないって、この時は悠を信じる気持ちの方が圧倒的に強かった。

 だけど、この日以来、私は萌ちゃんのSNSに苦しめられることになる。

 何日かおきに更新される萌ちゃんのSNSには、悠を連想させる投稿が上がるようになったのだ。




< 23 / 63 >

この作品をシェア

pagetop