愛なんて要らないから
「お前、何やってんだよ」
「なんで、大和がここに……」
「美羽に似た人がアプリにいるって聞いて、試しに来てみたら、まじじゃん」
いつものようにアプリで約束した相手との待ち合わせ場所に行ってみると、そこにいたのは私の知り合いだった。
アプリに登録している写真は加工したものを使っているから、知り合いには絶対にバレない自信があったのに。
よりによって、あの人の親友にみつかってしまうなんて……。
「悠がこんな時に、どうしてこんなことできるんだよ」
「どうしてって……はるに会わせてくれないくせに、私にどうしろっていうの?」
「はぁ?!萌から連絡あったんだろ?それに対して、お前が会いたくないって言ったんだろうが」
大和の口から出てきた名前を聞いた瞬間、私は息が詰まるのを感じた。
まただ。またあの子の話が広まっていく。
もうそういうの、いい加減うんざりだよ。
「私が何を言っても大和は萌ちゃんを信じるでしょ?だから話しても無駄。話すことなんて何もない。帰る」
「おい、待てよ。逃げんな」
最初から萌ちゃんの味方である大和は、そもそも私の話なんて聞くつもりがないくせに。
ここにいても時間の無駄でしかないと判断して、騒ぎになる前にここから立ち去ろうと背を向けると、大和が私の腕を掴んできた。