愛なんて要らないから
「お前が全部悪いんだろ。萌から悠をとった挙句、結局そうやって見放すんだろ?悠は、お前に会いに行くためにあんなことになったのに」
「っ、痛い……」
大和の腕を掴む力は、思わず顔を歪めて声が出てしまうほど強かった。
どんどん腕を掴む力が強くなって、ぐいっと引っ張られた私は、バランスを崩して地面に尻餅をついてしまった。
そのまま動けないでいる私を上から見下ろしている大和の目からは、憎悪の気持ちが痛いほどに伝わってきた。
「悠の代わりにお前がこの世から消えろよ」
そう吐き捨てた大和。
次の瞬間、頭に蹴りが降ってきた。
1回、2回、3回……。
頭や背中に次々と降ってくる衝撃に、最初はちゃんと痛みを感じたのに、段々と身体が麻痺してきたのか、回数を重ねるごとに痛みを感じなくなってきた。
待ち合わせていたラブホテルの前、夜の街にはもちろんたくさんの人がいて視線を感じる。
でも、怒りで我を忘れている大和は、そんな周りの視線なんて全く気にならないみたいだし、周囲の人たちも面倒ごとに巻き込まれたくないからか止める人は誰もいない。
大和から投げかけられた言葉も、次々に降ってくる蹴りも、全てが一方的なものだったけど、私にはどうでもよかった。
もう、こんな世界から消えたい。
いっそのこと、本当にこのまま大和が私を消してくれたらいいのに。
そんなことを願う私は、抵抗することなく大和からの蹴りを待っていた。