私を言葉で抱く年下作家の溺愛
「……蓮」

やっと名前を呼ぶ。それだけで、精一杯だった。

すると彼は、少しだけ笑った。優しく。

でも、離さないまま。

「今夜は一緒に、いこうか」

その言葉に、思考が止まる。

未来なんて。分からない。

正しい選択も。間違いも。全部、分からない。

それでも——今、この瞬間、私は、彼を選んでしまう。

目を閉じる。抗えない。

抗いたくない。この人の中にある熱を。

「梨沙。俺、もういくよ」

「蓮……蓮っ……」

彼の首元に腕を回した瞬間、彼の熱が私の中を襲った。

「あああ……」

受け入れている。彼の想いが込められた熱を。

「梨沙。ほら、あんたの体から俺が溢れだしてるよ」

彼は私の中から溢れだす蜜を、指で掬った。

「あんたさ、俺から逃げようなんて、思わないことだ」

最後のはずの夜が。終わりじゃなくて——

始まりみたいに、感じてしまった。
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