私を言葉で抱く年下作家の溺愛
今までとは違う。確かめるようでいて。

逃がさない意思が、はっきりとあるキス。

「俺」

少しだけ離れて、囁く。

「あんたと一緒にいたい」

その言葉に、胸が締めつけられる。

「だから」

次の瞬間、ぐっと引き寄せられた。

背中が、壁に触れる。距離が、一気に詰まる。

「遠慮しねえよ」

低く、断言する声。

再び重なる唇は、さっきよりも熱い。

深くて、強くて、逃げ場を、完全に奪う。

「……逃がさない」

耳元で、囁かれる。

その一言に、体が、びくりと震えた。

「蓮……?」

名前を呼ぶと、彼は少しだけ笑った。

でも、その目は真剣で。

「……あんたは、俺の女神だ」

——ドクン。その言葉。あの原稿の中と、同じセリフ。

でも今は、違う。

これは——作品じゃない。現実。
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