私を言葉で抱く年下作家の溺愛
「……本気なの?」

小さく、聞く。すると彼は、迷わず頷いた。

「本気だよ」

短く、はっきりと。

その一言で、全部、分かってしまう。

この人は、もう、終わらせる気なんてない。

むしろ——続ける気しかない。

「梨沙」

名前を呼ばれる。

さっきよりも、少しだけ優しい声。

「終わりにするつもり、ねえから」

——ドクン。心臓が、強く鳴った。

お会計を済ませて店を出ると、蓮は先に外で待っていた。

夜の空気が、少しだけひんやりしている。

「余計なお金、使わせちまったな」

ポケットに手を入れたまま、軽く言う。

「なんでよ」

私は隣に並びながら答えた。

「必要経費でしょ」

そう言うと、彼はくすっと笑った。
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