光王子と月夜のシンデレラ
「東急?JR?」
「あ……JRです……けど!今宮くんに合わせます」
「俺もJRだし、桜木町まで歩くか」
むしろ俺が合わせる側だろ、なんて心の中でツッコミながら無言で駅の方へ向かう。
6月に入ったとはいえまだまだ冷たい夜風が、みなとみらいのビル群のふもとを吹き抜ける。
日本丸エリアまで来た時、急に彼女の足並みが遅くなったので様子をうかがうと、いつも以上に挙動不審になっていた。
「どうし……」
「いっ今宮くん!ま、まだお時間平気ですか?」
「平気だけど……」
「す、少しだけ……お話し聞いてもらえませんか?」
いやそっちこそ大丈夫なの?とまた心の中でツッコミながらも、近くの芝生の斜面に座ることを提案した。
目の前に海が広がり、遠くでは船の汽笛が聞こえる。
横浜らしいこの風景が、俺は割と好きだ。
「あ、あのっ!お時間いただいてすみません……」
「別にいいけど」
「私の特技お話ししたくて……私だけ今宮くんの特技知っているのは、ふ、不公平だと思うので……」
「いや、俺は……実は……」
「ん、何か言いました?」
「いや、なんでもない」
律儀に不公平だと言ってくれる彼女への申し訳ない気持ちからなのか、本当の特技を話そうとしていた自分自身に少し驚いている。
家族と史郎以外誰にも言ったことがなかったから。
「あ……JRです……けど!今宮くんに合わせます」
「俺もJRだし、桜木町まで歩くか」
むしろ俺が合わせる側だろ、なんて心の中でツッコミながら無言で駅の方へ向かう。
6月に入ったとはいえまだまだ冷たい夜風が、みなとみらいのビル群のふもとを吹き抜ける。
日本丸エリアまで来た時、急に彼女の足並みが遅くなったので様子をうかがうと、いつも以上に挙動不審になっていた。
「どうし……」
「いっ今宮くん!ま、まだお時間平気ですか?」
「平気だけど……」
「す、少しだけ……お話し聞いてもらえませんか?」
いやそっちこそ大丈夫なの?とまた心の中でツッコミながらも、近くの芝生の斜面に座ることを提案した。
目の前に海が広がり、遠くでは船の汽笛が聞こえる。
横浜らしいこの風景が、俺は割と好きだ。
「あ、あのっ!お時間いただいてすみません……」
「別にいいけど」
「私の特技お話ししたくて……私だけ今宮くんの特技知っているのは、ふ、不公平だと思うので……」
「いや、俺は……実は……」
「ん、何か言いました?」
「いや、なんでもない」
律儀に不公平だと言ってくれる彼女への申し訳ない気持ちからなのか、本当の特技を話そうとしていた自分自身に少し驚いている。
家族と史郎以外誰にも言ったことがなかったから。