光王子と月夜のシンデレラ
「いないかー?文化祭のクラスの実行委員の立候補」
「……」
「決めないと帰れないぞー」

う……よりによって誰も立候補がいない……
実行委員を決める時間。田中先生も困った顔をしている。

どうしよう……みんな困っている。
予定ある子とか、何ならクエストある子もいるかもしれない。

…………うん!

ガラッ――

「せんせー!一番いい場所取れたよー!」
「おお!やったな」

ちょうどいいタイミングで、文化祭の使用場所を決める会議に参加してくれていた山田くんが帰ってきた。
本来はこれも実行委員が行くのだけれど、まだ決まっていなかったため、とりあえず山田くんが参加してくれたのだ。

「おおー!すげえな山田!くじだったの?」
「それが、なんと!金魚すくいだったんだよ!」
「マジかーお前の特技じゃん!」
「おかげで圧勝よ」
「金魚すくい役に立ったじゃん!」

金魚すくい……そんなことあるんだ。
みんな山田くんを称えて、クラスは盛り上がっている。

こんなに盛り上がっているし……せっかく山田くんがいい場所取ってくれたし……スッキリ決まったほうがいいよね。
何より、みんな困っているし。

ガタッ――

「どうした?佐倉」
「あ、あのっ……私……やります。実行委員」

まさか私が立候補するなんて思っていなかったのか、クラスメイトだけでなく先生まできょとんとしている。

「おおー!佐倉!やってくれるか」
「は、はい……至らないところも多いと思いますが……頑張ります」
「なら俺、男子の方やります」

今宮くんも立候補してくれた。
「え~なら私やればよかったぁ」なんで声がクラスの女子からあがる。

「よろしくね、佐倉さん」
「は、はい……」

久々に見るキラキラ王子の笑顔で微笑まれてしまった。
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