光王子と月夜のシンデレラ
ヒュルルーードンッ!!――

「おー結構見えるね」
「上の方から見る花火ってなかなかないよね」

無事にクエストを終えた私たちは、少し歩いたところにある港の見える丘公園に来ている。
ハロウィンだからか、みなとみらいで花火が上がっていたので、そのまま見に来たのだ。


花火を見ていても、私はさっきのことが頭から離れないでいた。

ドキドキしたのはもちろんだけれど……驚くことに、全く嫌ではなかったのだ。
それどころか……あの触れない少しの距離がもどかしいとすら思ってしまった。

思い出すだけで心臓がうるさくなる。
私はこの感情に気が付いてしまった。

特待生試験まであと少し……
集中するためにも、それまでは気づかずにいたかった。

でも気づいてしまったのだからしょうがない。
大切に向き合って、全てが終わったら伝えてみるのも……いや、私にそんなことできるのかな。

季節外れの花火大会が終わった。
冬はもうすぐそこだ。

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