婚約者に「いらない」と言われた私が、愛され妻を演じることになりました
日常生活の細かなところで凪を褒め、礼を伝えることを繰り返しているうちに、彼女がさらに心を開いていくのを実感していた。
凪は尽くし体質のようで、礼など必要ないと捉えている節がある。
けれど、言われるたびにわずかに目を細めてうれしそうにする。よく見ていないと気づかないようなその表情の変化は、いかにも礼を言われ慣れていない反応かもしれない。これまでは、なにをしても感謝されなかったのだろうと察せられる。
そもそも、人に尽くさなければならないような状況続きだったのかもしれない。実家暮らしだった凪の家事スキルが完璧なのは、ずっとこなしてきたからだろう。おそらく、押しつけられていた。
俺のもとに来たからには好きに過ごしてほしいが、家事をすることで落ち着くというのならそれでかまわない。
いずれ俺の仕事の関係で同伴をする機会も出てくるだろう。そのためにも日ごろから夫婦らしい振る舞いをしていこうと提案すれば、恥じらいながらも応じてくれる。
凪は過度に自分を着飾ることを望まず、所作は綺麗だが豪華なレストランへ行くなど贅沢には不慣れ。会話は控えめなりに卒なく応じられるが、自分から話を振ることはめったにない。
それに、どことなく人の顔色をうかがう節がある。些細な振る舞いに、虐げられてきただろうこれまでの生活が想像できてしまう。
本来の凪らしくあってほしい。年頃の女性ならではの楽しみを体感させてやりたい。
そんな願いから、服やアクセサリーなどいきすぎた買い物をしたのは許されるだろう。好ましいと思っている女性がさらに美しくなることを、男なら誰でも喜ぶはず。
俺のもとで少しずつ自信をつけていく凪を見ていると、日に日に愛しさが増していく。
そんなある日のこと。彼女のイメージチェンジをした姿に、年甲斐にもなく胸を高鳴らせていた。
内に閉じこもりがちな凪が、どんな心境の変化からか、髪をカットして柔らかな色合いに染めていた。一歩を踏み出すのに、彼女の場合は相当な勇気を要したはず。
落ち着いた黒髪もよかったが、華やかなブラウンもよく似合っている。
彼女がオシャレを楽しめたことがうれしい。その前向きな変化は、凪が変わりたいと強く望むようになった証だから。
さらに彼女に自信をつけさせるには、場数を踏んで慣れていく必要がある。
それができたときには、凪に俺の想いを伝えようと思う。
凪は尽くし体質のようで、礼など必要ないと捉えている節がある。
けれど、言われるたびにわずかに目を細めてうれしそうにする。よく見ていないと気づかないようなその表情の変化は、いかにも礼を言われ慣れていない反応かもしれない。これまでは、なにをしても感謝されなかったのだろうと察せられる。
そもそも、人に尽くさなければならないような状況続きだったのかもしれない。実家暮らしだった凪の家事スキルが完璧なのは、ずっとこなしてきたからだろう。おそらく、押しつけられていた。
俺のもとに来たからには好きに過ごしてほしいが、家事をすることで落ち着くというのならそれでかまわない。
いずれ俺の仕事の関係で同伴をする機会も出てくるだろう。そのためにも日ごろから夫婦らしい振る舞いをしていこうと提案すれば、恥じらいながらも応じてくれる。
凪は過度に自分を着飾ることを望まず、所作は綺麗だが豪華なレストランへ行くなど贅沢には不慣れ。会話は控えめなりに卒なく応じられるが、自分から話を振ることはめったにない。
それに、どことなく人の顔色をうかがう節がある。些細な振る舞いに、虐げられてきただろうこれまでの生活が想像できてしまう。
本来の凪らしくあってほしい。年頃の女性ならではの楽しみを体感させてやりたい。
そんな願いから、服やアクセサリーなどいきすぎた買い物をしたのは許されるだろう。好ましいと思っている女性がさらに美しくなることを、男なら誰でも喜ぶはず。
俺のもとで少しずつ自信をつけていく凪を見ていると、日に日に愛しさが増していく。
そんなある日のこと。彼女のイメージチェンジをした姿に、年甲斐にもなく胸を高鳴らせていた。
内に閉じこもりがちな凪が、どんな心境の変化からか、髪をカットして柔らかな色合いに染めていた。一歩を踏み出すのに、彼女の場合は相当な勇気を要したはず。
落ち着いた黒髪もよかったが、華やかなブラウンもよく似合っている。
彼女がオシャレを楽しめたことがうれしい。その前向きな変化は、凪が変わりたいと強く望むようになった証だから。
さらに彼女に自信をつけさせるには、場数を踏んで慣れていく必要がある。
それができたときには、凪に俺の想いを伝えようと思う。