傷ついた王子は森の魔女に癒される
窓に吸い寄せられるように、一歩踏み出す。
自分の足音が聞こえてきた瞬間、はっとして立ち止まった。
(窓から様子をうかがうなんて、失礼だろう……!)
朝の冷えた空気を胸いっぱいに吸い込んで、深く吐き出す。
白くなった吐息がそよ風に溶けていく。少しだけ落ち着きを取り戻す。
焦っていては、伝えたい気持ちもうまく伝えられない。
きっと起きてきたらなにかしら音が聞こえてくるはずだから、それまで待っていよう。
木の根元に腰を下ろして待とうと思い、辺りを見回した、その瞬間。
「――……さん、……」
人の声が聞こえてきた気がした。
息を詰め、耳をそばだてる。
気のせいか? でもリリアナの声に似ていたような。
もう一度耳に意識を集中する。
「……げほっげほっ。ううっ……」
「――!」
咳き込む音と、うめき声。
リリアナが近くにいるのか?
忍び足で歩き出し、窓に近付く。罪悪感を覚えながら中を覗く。しかし人影はなかった。
さらに進み、家の裏手に行こうとした瞬間。
「うう……ファリエルさん……」
リリアナがひとり泣いていた。
裏庭の畑の巨大キャベツに寄り掛かって座り込み、膝を抱えて肩を震わせている。ミルクティー色の髪に隠れた顔は真っ赤になっていた。
白い息を吐き出しながら、子供のように、しきりに目を拭っている。
「ファリエルさん、会いたいよ……。どうして私、追い出しちゃったんだろう……!」
自分の足音が聞こえてきた瞬間、はっとして立ち止まった。
(窓から様子をうかがうなんて、失礼だろう……!)
朝の冷えた空気を胸いっぱいに吸い込んで、深く吐き出す。
白くなった吐息がそよ風に溶けていく。少しだけ落ち着きを取り戻す。
焦っていては、伝えたい気持ちもうまく伝えられない。
きっと起きてきたらなにかしら音が聞こえてくるはずだから、それまで待っていよう。
木の根元に腰を下ろして待とうと思い、辺りを見回した、その瞬間。
「――……さん、……」
人の声が聞こえてきた気がした。
息を詰め、耳をそばだてる。
気のせいか? でもリリアナの声に似ていたような。
もう一度耳に意識を集中する。
「……げほっげほっ。ううっ……」
「――!」
咳き込む音と、うめき声。
リリアナが近くにいるのか?
忍び足で歩き出し、窓に近付く。罪悪感を覚えながら中を覗く。しかし人影はなかった。
さらに進み、家の裏手に行こうとした瞬間。
「うう……ファリエルさん……」
リリアナがひとり泣いていた。
裏庭の畑の巨大キャベツに寄り掛かって座り込み、膝を抱えて肩を震わせている。ミルクティー色の髪に隠れた顔は真っ赤になっていた。
白い息を吐き出しながら、子供のように、しきりに目を拭っている。
「ファリエルさん、会いたいよ……。どうして私、追い出しちゃったんだろう……!」