傷ついた王子は森の魔女に癒される
 幼い魔女からもらったお守りが決め手となって、魔女と通じていると断定され、僕は処刑された。
 でもどうしても、手放したくなかった。


 陰謀の渦巻く王城で、僕の心を守ってくれると思えたから――。



「あの……ファリエルさん?」

 小声の呼びかけに、はっと我に返る。
 するとリリアナが申し訳なさそうに眉をひそめていた。

「勝手なことしてすみません。もしかしてこういうの嫌いでしたか? 無理して着けていただかなくても……」
「……いや」

 外そうとする手を、そっとさえぎる。

「ありがたく着けさせてもらうよ。こういったものに思い入れがあるというか……。前にもこうして、魔女のお守りを着けてもらったことがあるんだ」

 腕を顔の高さまで持ち上げて、お守りを眺める。

「ああ、ユリの花があしらわれた、この編み方も一緒だ。また着けさせてもらえて嬉しいよ」
「えっ!」

 今まで聞いた中で一番の大声が、森にこだました。


ユリの花の(・・・・・)お守り(・・・)、ですか……!?」


 リリアナが大きく目を見開く。
 アクアブルーの瞳が揺れる。

 ただでさえ色白なその顔は、すっかり青ざめてしまっていた――。
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