傷ついた王子は森の魔女に癒される
「っ……!?」
地面の感触が消え失せる。足元が崩れた。続けて落ちていく感覚。
いつの間にか崖際に追い詰められていたことにすら気づけなかった。
見下ろしてくる赤い目が遠ざかっていく。
――ああ、僕はここで死ぬのか。
処刑されるときに見た、それまでの人生の様々な光景の中に、新たに加わったページが鮮やかに浮かびあがる。それはリリアナの笑顔だった。
――ありがとうリリアナ。僕と出会ってくれて。
胸の内で呼びかけた途端、意識がなくなった。
***
「ん……」
目を開くと、見覚えがあるようでないような天井が見えた。
長い夢を見ていた気がする。
まばたきを繰り返す。深く息を吸い込んで、吐き出す。
様々なハーブの香りが心を落ち着かせていく。
僕は、生きているのか?
そう心の中でつぶやいた瞬間。
視界の端に、黒いローブ姿が見えた。
「リリアナ……? っ――!」
勢いよく起き上がった瞬間、全身に激痛が走った。
きつく目を閉じて痛みをやりすごす。
すると呆れた風な声が聞こえてきた。
「まだ動くんじゃないわよ。応急処置しかしてないんだから」
聞き覚えのある声に、心臓が強く脈打つ。
声の聞こえてきた方向に、おそるおそる視線を向ける。
するとそこには、リリアナの先輩魔女――コーデリアがいて、不機嫌そうな顔でファリエルを眺めていた。
地面の感触が消え失せる。足元が崩れた。続けて落ちていく感覚。
いつの間にか崖際に追い詰められていたことにすら気づけなかった。
見下ろしてくる赤い目が遠ざかっていく。
――ああ、僕はここで死ぬのか。
処刑されるときに見た、それまでの人生の様々な光景の中に、新たに加わったページが鮮やかに浮かびあがる。それはリリアナの笑顔だった。
――ありがとうリリアナ。僕と出会ってくれて。
胸の内で呼びかけた途端、意識がなくなった。
***
「ん……」
目を開くと、見覚えがあるようでないような天井が見えた。
長い夢を見ていた気がする。
まばたきを繰り返す。深く息を吸い込んで、吐き出す。
様々なハーブの香りが心を落ち着かせていく。
僕は、生きているのか?
そう心の中でつぶやいた瞬間。
視界の端に、黒いローブ姿が見えた。
「リリアナ……? っ――!」
勢いよく起き上がった瞬間、全身に激痛が走った。
きつく目を閉じて痛みをやりすごす。
すると呆れた風な声が聞こえてきた。
「まだ動くんじゃないわよ。応急処置しかしてないんだから」
聞き覚えのある声に、心臓が強く脈打つ。
声の聞こえてきた方向に、おそるおそる視線を向ける。
するとそこには、リリアナの先輩魔女――コーデリアがいて、不機嫌そうな顔でファリエルを眺めていた。