裏の顔を知ってしまった私を先輩は離してくれません!


──そんなこと言われたって私に秘密を守る義務
はないじゃんか



「私があなたの秘密を守ることに
メリットないですよ」



『えー』と言いながら面倒くさそうに
前髪をかきあげる先輩。


そして、


「君、さっきから僕に興味無さそうだよね。」

「もしかして、人と関わるの苦手?」



──人が気にしていることを



「それがこの件になんの関係が?」




先輩が『怒んないでよー』と言って一言。



「図星だからそんな言い方になるんじゃないの?」

「人と関わるのが苦手で、できるだけ面倒事を避けたい。」

「だから今も逃げようとしてる。」




──なんで、



「違います…」


反射的に否定したけど、自分でもわかる程、

私の声は弱かった、




「違わないよ」


「………」


黙っている私を横目に先輩は言う。


「別にそれが悪いことって言ってるんじゃないよ。」

「でもさ、それで楽?」


何も言えない私に先輩は少し、目を細めた。


「…折角なんだしさ、僕で練習してみない?」


──どういう、こと?
思わず顔を上げて、先輩を見る。



「僕が人との関わり方、教えてあげる」


その言葉はさっきまでの怖さと違い、優しく聞こえた。


ーでも、


「そのかわり──

さっきのこと、誰にも言わない。」




──なんで、離れようとしたのに、
逃げようとしたのに、

先輩は逃がしてくれないの。




「…それ、脅しですか?」


「んー、どうだろ」


少し考えるふりをしてから


「お願い、かな」


そう言って私の頭の横の手をどけ、笑う先輩は
やっぱり王子様で、

でも、

「断ったら?」
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