裏の顔を知ってしまった私を先輩は離してくれません!
「ぇ………ねぇ……ねえ!!」


──先輩の声で自分が会話に集中してなかったことに
気付かされる。


「すみません、あまり聞いてなかったです。」


「…さっきから、人の話遮ったり聞かなかったり、
何考えてるのかな?」



静かな声なのに、逃げ場がない。












──聞いてなかったことにすればいい


そうしたら先輩は王子様で、


私はいつも通りの生活をおくることができる。






「…先輩ってほんわか王子様って呼ばれてますよね?」


「…だったら?」


「私、この件誰にも言いませんよ、だから、
離して貰ってもいいですか?」



先輩は、


少し考える素振りを見せて、



1歩、距離を詰めた。




「聞いてないってことにするの、やめない?」



「ぇ…?」



──先輩がなんで素を隠しているのか、
私には分からないけれど、私が聞かなかった
ことにすれば、全てが円満に行くのに。


先輩のことが、

分からない。






そんな私の気持ちを汲み取ってか、先輩は少し笑う。




「困るんだよね。
見られた上に"知らない"って顔されるの」



その笑顔が、怖い


「だからさ、俺の秘密、守ってよ」















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