愛なき契約結婚のはずが、クールな御曹司の激しい独占愛に堕とされる
眼鏡人口の多いこの部署では数少ない、ノー眼鏡の社員。明るめの髪色やノリの軽さ、話し方や雰囲気がなんとなく苦手な先輩の勝瀬さんだ。
「大変だねー仲真さん。いつもながら面倒な仕事を押し付けられて」
口調が嫌味っぽいので、本気で同情しているわけではないだろう。
「体調不良は誰のせいでもありませんから、押し付けられたとは思っていませんが……」
「でも今印刷した資料、大して役に立たないだろ」
「えっ? どうして……」
「高田に聞いてたんだよ。社長が全然ちゃんとした回答を送ってこなくて困ってるって。体調不良っていうのは仮病で、インタビューただばっくれたかっただけじゃね?」
高田さんは勝瀬さんとは同期なので、楽しそうに言葉を交わすシーンをよく見かける。
たまに仕事そっちのけで雑談に興じている時もあるし、彼の言っていることもあながち間違いではないかもしれない。
だからといって、今さらこのインタビューを投げ出すわけにもいかないので、勝瀬さんになんと言うべきか迷ってしまう。
黙り込んだままの私を見て、勝瀬さんは今度こそ表情に同情を滲ませた。