愛なき契約結婚のはずが、クールな御曹司の激しい独占愛に堕とされる

 真摯な言葉に、臆病に立ちすくんでいた心がようやく前進する。それに、彼を信じて私のすべてを預けたら――私たちの関係も、なにか変わるかもしれない。

「お願い、します」

 ようやく発することができた返答には色気の欠片もなく、声も緊張で震えていた。

 それでも、遼河さんは優しく頷いて、私の耳元に唇を寄せた。

「了解。つかまってて」
「えっ、あのっ……」

 次の瞬間、遼河さんは軽々と私をお姫様抱っこし、バルコニーから室内へと移動する。目的地は、綺麗にベッドメイキングされたクイーンサイズのベッドだ。

 彼はそこに優しく下ろした後、窓とカーテンをしっかり閉めて、照明をベッドサイドのランプの明かりだけにする。

 ベッドの周囲だけが控えめに照らされたその部屋で、遼河さんが私に覆いかぶさるようにのしかかり、再びキスの雨を降らせる。

 激しいリップ音の合間に、時折甘いため息が混じる。ルームワンピース越しに体のラインをなぞられてどきりとした瞬間、唇の隙間から舌が忍び込んで口づけがさらに深くなる。

「んっ……ふ、ぅ」

 彼の濡れた舌は口内を余すことなく味わうように動き、蕩けるような感覚で脳がジンと痺れる。

 されるがままの私は、息継ぎをするだけで精いっぱいだ。

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