愛なき契約結婚のはずが、クールな御曹司の激しい独占愛に堕とされる
数秒で唇は離れたものの、至近距離で視線が絡むと、もっと――と、初めて感じる甘い欲求が湧いた。
すぐにそれを察知してくれた遼河さんが、私の頭を掴み、今度は強く、押し付けるような口づけで、私の胸をちりちりと焦がした。
唇が離れた瞬間、私たちはほとんど同時に熱い吐息をこぼした。遼河さんがこつ、とお互いの額を合わせ、瞳を覗いてくる。
「小雪、俺はきみが欲しい。子どもじゃないんだから、意味はわかるな?」
ドクッと、熱い血液が全身を巡る。
泊まりと聞いた時から、少し……いや、かなり意識はしていた。でも、嫌じゃないと思ったからここまで来たのだ。心の準備は、ある程度してきている。
でも、それ以上に不安なのが……。
「あの、私……初めてで……」
そう、私には経験がない。男の人と付き合ったことすらなかったのに、うまくできるのだろうか。
「そうか。怖いか?」
「怖いというより、不安です。……あなたをがっかりさせないかって」
正直に胸の内をさらけ出すと、遼河さんの手が、そっと私の髪を撫で、指先で梳いた。
「俺はがっかりなんてしないよ。一時的な欲求で、無責任に言っているわけじゃないんだ。俺を信じて、すべてを委ねてほしい」
「遼河さん……」