愛なき契約結婚のはずが、クールな御曹司の激しい独占愛に堕とされる
虚ろな視界には、上体を起こした彼がシャツを脱ぐ姿が目に入った。
適度に筋肉のついている、引き締まった体躯。スーツの上からではわからなかった彼の野性的な魅力に、胸がドキドキと騒がしくなる。
つい見とれていたら、彼がズボンと下着まで下ろそうとしていたので、慌ててパッと目を逸らす。衣擦れの音に交じって、避妊具のパッケージを破る音がした。
「……小雪」
名前を呼ばれ、ようやく彼と目を合わせる。再び私に覆いかぶさった彼は、鋭い眼差しで私を射貫く。
「きみは俺の妻だ。見つめ合うのも、キスをするのも、こうして抱き合うのも……俺以外に許してはダメだ。その権利は誰にも渡さない」
「遼河さん……」
まるで本当に愛してくれているようなセリフに、胸が熱くなる。彼は今日一日で、何度私を喜ばせるセリフを口にしただろう。
自然と潤んだ瞳で彼を見つめたら、遼河さんは私の前髪をそっと撫でて、自嘲気味に笑った。
「自分がこんなに独占欲の強い男だったとは初めて知ったが、簡単には直りそうもない。……あきらめて、一晩中抱き潰されてくれ」