愛なき契約結婚のはずが、クールな御曹司の激しい独占愛に堕とされる

 遼河さんと結婚してから、口に入るものが自然と高級なものばかりになってしまっていたけれど、庶民的なお惣菜や缶チューハイにはやはりホッとする。

 小鹿さんに言わせると、きっとこういう感覚もダメなんだろう。

「でも、正直言って、小鹿さんがいくら自分を磨いたり社長に言い寄ったりしても、ひとり相撲なわけだよね。目指しているところが違うとか言われても、そりゃそうでしょって感じ。小雪はハイハイ、って聞き流しとけばいいんだよ」

 昼間会社で小鹿さんに言われたあれこれを、琉美は気持ちいいほどばっさりと切り捨ててくれる。

 言われてみればそうかと思う反面、まだ自信は取り戻せない。

「私さ、昔は目立つ人は苦手だったし近づきたくなかったけど、遼河さんと出会って、彼を知っていくうちに、段々変わってきたんだよね……」

 琉美にしか話せない胸の内を、ぽつぽつと口に出す。そうすると頭の中が整理されて、自分の考えや、これからどうしたいのかなどが少しずつはっきりしてくる。

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