愛なき契約結婚のはずが、クールな御曹司の激しい独占愛に堕とされる
つられて微笑む遼河さんは、すっかり我が子を溺愛するパパの顔をしている。
遼河さんは私の妊娠を知った当時、こんなに喜んでいる彼は初めて見るのではないかと思うほどに感激していた。私を抱き上げてリビングで一回転したほどだ。
当時の遼河さんは氷室自動車グループの副社長になったばかりで忙しかったのに、私の妊娠が発覚するなり驚くほど過保護になり、できるだけ帰宅も早めてくれるようになった。
雪斗が生まれた後は在宅で仕事をしてくれることも増え、育児にも積極的だ。
彼と一緒に氷室自動車グループへと転籍し、今でも遼河さんの片腕を務める新町さんが、スケジュールをうまく調整してくれるそうだ。
「雪斗は俺と違って愛想がいいな」
「遼河さんだって赤ちゃんの頃はかわいかったでしょう」
食器の後片付けを終えた私は、彼の呟きにクスッと笑って、ソファに腰を下ろした。
「ままぁ」
雪斗が両手を伸ばして私の方へやってくる。
遼河さんからその小さな体を預かり抱っこしてあげると、手に持っているミニカーを得意げに見せてきた。