愛なき契約結婚のはずが、クールな御曹司の激しい独占愛に堕とされる
「ゆっとの、ゆにちす」
「うん。雪斗のユリシス、カッコいいね」
パパと同じで、雪斗のお気に入りもあのユリシス。舌っ足らずでまだうまく発音できないけれど、それがたまらなくかわいい。
ちなみに雪斗の持っているミニカーは、新型バッテリーが搭載されたハイグレードなユリシス。高性能なのに車両価格が抑えられているため、街中で見かけることも増えた。
「雪斗。今度の休みはユリシスに乗ってどこかへ行こうか。どこがいい?」
遼河さんが尋ねると、雪斗は少し考えてから言った。
「ゆっとね、こうそくどうど」
「それは行き先じゃないが……まぁいいか。高速道路に乗りたいんだな。了解」
「氷室の車、たくさん見られるものね。ママも賛成」
雪斗の小さな手とハイタッチすると、それだけでうれしさを爆発したようとにギュッと抱きついてくる。
雪斗が私の肩に顔を埋めているその隙に、遼河さんが「しっ」と口元に人差し指を立て、私にそっと口づけした。
唇を離した彼と、微笑みを交わしながら思う。
愛しいあなたと雪斗が一緒なら、どこへ行ったって幸せに決まっている。
Fin.


