偽王子と、甘い偽恋
Prologue
世界一愛されているお姫様になるのが夢だった。
そんな夢は、誰しも幼少期に一度は抱くものだと思う。
だけど私は、その夢をずっと捨てきれずに持ち続け、理想ばかりが高くなって拗らせた結果、大学を卒業しても彼氏の一人もできなかった。
最初の憧れは、童話の『シンデレラ』だった。それからディズニー映画にのめり込み、白雪姫やラプンツェルなど、あらゆるお姫様に心酔した。
小学生になれば、系統は変わるけれど『りぼん』や『なかよし』『ちゃお』を親にねだり、『きらりん☆レボリューション』『極上!!めちゃモテ委員長』『しゅごキャラ!』といった作品を片っ端から読み耽って、どんどん夢中になっていった。
中学生になると『マーガレット』などの少し大人向けの少女漫画に手が伸び、恋への憧れは強まるばかり。
中学と高校時代は、朝の十分間に読書タイムが設けられていた。私は、当時流行していたケータイ小説の文庫本を読むのが日課だった。時に「そんなの読書じゃない」と友人から否定されることもあったけれど、私はその時間にそれらを読むことを決して諦めない、意志の強い女だった。
…神経が図太いなんてことは、誰にも言わせはしない。
そうして恋への期待と憧れを膨らませ続けた結末は、ご想像の通り。
幸い、容姿に恵まれていた私は異性からアピールを受けることこそ多かったけれど、心惹かれる男性には出会えなかった。フィクションの少女漫画やロマンス映画、恋愛小説に登場するような王子様は、現実のどこを彷徨っても見当たりはしない。
恋を拗らせ、拗らせ…、拗らせまくった女。
私こそが本田りりか、二十二歳である。
今、私は「ドン!」と効果音が鳴りそうな仁王立ちで、就職先である文房具制作会社の前に立っていた。
絶対にここで、運命の王子様を見つける!と、心の中でそう固く誓っていたが、こんな目的を誰かに知られたら「まずは仕事をしろ」と一蹴されると思う。だけど、そんなことは気にもしない。
素敵な男性がここにいると疑わず、自分こそがこの物語の主人公なのだと信じて疑わない、そんな脳内お花畑な私が、今日、社会人として歩み出すところだった。
そんな夢は、誰しも幼少期に一度は抱くものだと思う。
だけど私は、その夢をずっと捨てきれずに持ち続け、理想ばかりが高くなって拗らせた結果、大学を卒業しても彼氏の一人もできなかった。
最初の憧れは、童話の『シンデレラ』だった。それからディズニー映画にのめり込み、白雪姫やラプンツェルなど、あらゆるお姫様に心酔した。
小学生になれば、系統は変わるけれど『りぼん』や『なかよし』『ちゃお』を親にねだり、『きらりん☆レボリューション』『極上!!めちゃモテ委員長』『しゅごキャラ!』といった作品を片っ端から読み耽って、どんどん夢中になっていった。
中学生になると『マーガレット』などの少し大人向けの少女漫画に手が伸び、恋への憧れは強まるばかり。
中学と高校時代は、朝の十分間に読書タイムが設けられていた。私は、当時流行していたケータイ小説の文庫本を読むのが日課だった。時に「そんなの読書じゃない」と友人から否定されることもあったけれど、私はその時間にそれらを読むことを決して諦めない、意志の強い女だった。
…神経が図太いなんてことは、誰にも言わせはしない。
そうして恋への期待と憧れを膨らませ続けた結末は、ご想像の通り。
幸い、容姿に恵まれていた私は異性からアピールを受けることこそ多かったけれど、心惹かれる男性には出会えなかった。フィクションの少女漫画やロマンス映画、恋愛小説に登場するような王子様は、現実のどこを彷徨っても見当たりはしない。
恋を拗らせ、拗らせ…、拗らせまくった女。
私こそが本田りりか、二十二歳である。
今、私は「ドン!」と効果音が鳴りそうな仁王立ちで、就職先である文房具制作会社の前に立っていた。
絶対にここで、運命の王子様を見つける!と、心の中でそう固く誓っていたが、こんな目的を誰かに知られたら「まずは仕事をしろ」と一蹴されると思う。だけど、そんなことは気にもしない。
素敵な男性がここにいると疑わず、自分こそがこの物語の主人公なのだと信じて疑わない、そんな脳内お花畑な私が、今日、社会人として歩み出すところだった。
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